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ニュースリリース

<開発発表>


複合Rチタン振動板の採用により2kHz〜100kHzにおよぶ
超高域&広帯域再生を実現したスピーカーユニットの開発に成功

株式会社ケンウッド(本社:東京渋谷、社長:酒井田格)は、このほど100kHzにおよぶ超高域再生を実現したスピーカーユニットを開発しましたのでお知らせします。

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スピーカーユニット



★開発背景

近年オーディオの分野においては、次世代音楽ソースの流れとして注目されているDVDオーディオやSACD(スーパーオーディオコンパクトディスク)は、従来のCDを越える高品位再生が可能となっています。したがって、カーオーディオのスピーカー分野においても同様な次世代音楽ソースへの対応が欠かせない要素のひとつになってきています。

これらに対応するためのスピーカーに対する要求性能として
高域再生周波数の拡大
〜20kHz(従来) →〜 100kHz
ダイナミックレンジの拡大
96dB(従来) → 144dB
があげられ、特に再生周波数の高音域への拡大が重要となり、新しい高音用スピーカー(ツイータ)ユニットを開発する必要がありました。

超高域再生手法としては、従来からリボン型や平面駆動型、近年では圧電方式のセラミック型等がありましたが、カーオーディオという限られた車室内スペースでの使用と取付スピーカー数の制限、耐環境性とコスト的条件を総合すると最適なスピーカーユニットはなかなか存在しませんでした。
しかし、従来のカーオーディオ用に商品化されているドーム型スピーカーの構造を製造手法も含めて抜本から見直すことによって、複合R振動板を開発し、カー用の取付け性、環境基準をクリアしたドーム型スピーカーは、業界初の100kHzにおよぶ超高域再生が可能にな りました。



★新開発スピーカーの構造と特徴

  1. 超高域100kHzを再生するドーム型ツイータ

  2. 複合R(Radius:半径)ドーム振動板の採用

    異なる二つの曲率を組み合わせ一定の比率にする事によって、高域共振の分散共振をはかり、高音域特性をスムースに行う振動板を開発。

  3. ショートリングの採用。

    超高域でのスピーカーインピーダンスをフラット化し、入力パワーを一定にするため磁気回路ポールピースに銅製ショートリングを採用。

  4. 従来のスピーカーと互換性を持ちコンパクトな形状。

    ネオジウムマグネットを磁気回路に採用し軽量性と小型化を実現。



<スピーカーの周波数特性>

新開発スピーカーは、従来の超高域再生スピーカーがスーパーツイータとしての性格に対し、これらで再生できなかった低い周波数の2kHz以上が再生ができるため、通常の高音用スピーカーと同様に使用できます。

<インピーダンス特性>

新規開発品はショートリングの効果によって、従来のスピーカーに比べフラットなインピーダンスカーブが得られています。

<新スピーカーの用途例>

複合Rドーム振動板の曲率をある一定値に保つ事によってスムースなレスポンスで超高域&広帯域にわたり再生する事ができる。従来の超高域再生するスピーカーは10kHz以上を再生するスーパーツイータであるのに対し、低いクロスオーバーで通常の高域用スピーカーと同様に使えるのがメリットになります。この技術を応用した製品は海外モデルをはじめとしてDVDやDVDオーデイオ等に対応したスピーカーとして広く導入を進めて行く予定です。

<新開発スピーカーと従来スピーカーとの比較表>
  従来スピーカー 新開発スピーカー
振動板形状 単一Rドーム振動板 複合Rドーム振動板
再生周波数帯域 2 kHz 〜 43kHz
(-10dB)
2kHz 〜 100kHz
(-12dB)
許容入力 40w 50w
インピーダンス
寸 法 φ40x20.5 φ40x20.5
重 量 45g 45g



本件に関するお問い合わせ先

ケンウッド広報室 折原 TEL:03(5457)7120
FAX:03(5457)7110
E-mail: pr.qa@pr.kenwood.co.jp

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Updated 2001/01/18 (C) 2001 KENWOOD Corporation