TS-990シリーズ取り扱い説明書

メインとサブの受信部、バンドスコープに専用DSPを搭載

TS-950で世界で初めてのDSPを搭載、TS-870ではアマチュア無線機初のDSPによるIF AGC制御を実現するなど、アナログ回路では得られなかった通信の「質」を提供し続けたケンウッド。TS-990ではその集大成として3個のDSPを各主要ブロックに配置。メインIF、サブIF、バンドスコープなどの信号処理を分散させることで、ゆとりあるデジタル信号処理を実現しています。(FMモードはAF DSP処理)

デジタルとアナログを融合させた先進のAGC制御

SSBやCWの受信音質はオーディオの周波数特性やフィルターの遅延特性だけで決まるものではありません。AGC特性もきわめて重要な役割を担います。多くのファンからの「長時間ワッチしていても聞き疲れしない」という評価は、ケンウッドのAGCならではの特性です。TS-990ではDSPのAGC制御アルゴリズムだけでなくアナログAGC部も合わせて進化させ、ケンウッドトーンにさらなる磨きをかけています。

いい音を実現するための緻密な筐体設計

内蔵スピーカーの音質は筐体の構造でも大きく左右されます。TS-990では構想段階からシミュレーションを重ね、不要な筐体の振動を最小化。
ケンウッドトーンは回路やDSPだけでなく、緻密な筐体設計にも裏付けられているのです。

多彩な混信除去・ノイズ除去機能

IFフィルター帯域可変

DSPフィルターの帯域を可変し、用途や状況に応じた混信除去に対応。SSB/AM/FM モードではHI CUT/LOW CUT、CW/FSK/ SSB-DATA 通信モードではWIDTH/SHIFT 機能として動作します。

IFフィルターのA/B/Cワンタッチ切り替え

IFフィルターの帯域幅を最大3つまでプリセットして瞬時に切り替え可能。ナロー、ワイドに設定すれば、すばやいオペレーションが要求されるコンテストなどで便利な機能です。

IFノッチ

強力な妨害信号をノッチで除去し、目的の微弱信号をキャッチ。ノッチ周波数が自動で可変するIF オートノッチと手動で可変できるマニュアルノッチを、混信の状況に合わせて使い分けできます。

バンドエリミネーションフィルター機能

阻止帯域幅と減衰量を可変できるフィルターです。目的信号に妨害信号が重なっている場合に、目的信号を多少削ってでも妨害信号を減衰させるような運用に便利な機能です。

デジタル/ アナログ2方式を搭載したノイズブランカー機能 (NB1/NB2)

弱ノイズに対する効果に定評があるアナログノイズブランカー(NB1)に加え、デジタルノイズブランカー(NB2)も搭載。ノイズの種類や受信状況に合わせて、最適なノイズブランカーを選択できます。NB1では受信帯域幅によらない安定したノイズ除去が可能。NB2はアナログノイズブランカーが追従できないようなノイズに効果を発揮します。なおTS-990では、NB1とNB2の同時使用が可能です。

DSPによるノイズリダクション機能(NR1/NR2)

NR1/NR2と2種類のノイズリダクション方式を搭載。NR1では各受信モードに適したノイズリダクション方式を適用。NR2ではCW運用にさらに効果的なSPAC方式を採用しました。


<その他の混信除去・ノイズ除去機能>

●ビートキャンセル機能 (BC1/BC2) IFオートノッチが強力なビートに効果的であるのに対して、ビートキャンセルは比較的弱い複数のビートに効果を発揮します。

●オーディオピークフィルター CW やFSK のようにキャリア受信時にピッチトーンの通過帯域幅を可変。 FSKはマーク、スペースの周波数に対応しています。