1.当社製アマチュア無線機が国際宇宙ステーションに採用された経緯
国際宇宙ステーション(the International Space Station:以下ISS)では、宇宙という特殊な空間で勤務する宇宙飛行士の心理的な安定を保つとともに、地上の子ども達に対して宇宙や無線に関する教育をうながす目的で、アマチュア無線による地上との交信が認められています。ただし、ISSに持ち込む物品は、火災や有毒ガスなどによる事故を防ぐために材質や保護機能などについて、ISSに関するロシアのパートナー・エネルギア(Energia)とアメリカ航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:以下NASA)の厳しい基準をクリアしなければなりません。また、ISSは無重力であるため、放熱を自然対流に頼る構造のものは使用できません。これらの条件をクリアするのはもちろんのこと、かつてロシアの宇宙ステーション・ミール(MIR)にも採用されたことのある、当社製アマチュア無線機の高い信頼性、多彩な機能、優れた操作性が、ISSにおけるアマチュア無線局設備の開発・運用を担うARISS(Amateur Radio on the International Space Station)に評価され、ISS・アマチュア局の設備として採用されることが決まりました。
ISS・アマチュア局で使用される機器は、宇宙飛行士にアマチュア無線経験が少ない場合でも高度な運用を簡単に行えるよう、「TM-D700E」という市販製品を仕様変更したものです。ISSに搭載されたのは1台ですが、ISSと同じ環境を地上に再現し、軌道上での新しい無線システムの運用をサポートするためものものと、アメリカやロシアの宇宙基地で宇宙飛行士やARISSのメンバーが訓練・試験目的で使用するものをあわせると、同規格・同等性能の機器が合計で15台必要になります。当社ではそれらをすべて無償提供しました。
ISSで使用する機器は、今年8月29日にバイコヌール宇宙基地(カザフスタン共和国)からソユーズロケットで打ち上げられたプログレス宇宙船で運搬済みですが、この度、運用を開始する前の最終的な確認試験を無事に完了し、本格運用が開始される運びとなりました。 |
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