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代表取締役会長
 
代表取締役社長兼CEO
 再建の完了をもって過去の「負の遺産」と決別し、本格的な成長のステージへと移った当社は、2005年5月に策定した第二次中期経営計画「バリュー・クリエーション・プラン」に沿って新たな取り組みを推進しております。
 これは、新たな成長と収益力の向上に向けた企業価値拡大戦略に取り組み、早期の$Billionクラブ入りをめざすもので、具体的には、当社最大の収益基盤であるコミュニケーションズ事業の売上・収益成長を増進するとともに、市場変化に対応してカーエレクトロニクス事業とホームエレクトロニクス事業の収益力回復に向けた構造改革を推進しております。

 そして、前期までに戦略開発投資や先行開発投資、販売拡大、収益回復などの準備を終え、いよいよ次世代の経営者によってコア事業を中心とする現行事業を新たな成長へと転じさせ、中長期的な企業価値創造・拡大に向けた戦略的なイニシアチブを会長が分担することにより、自力成長を超えて企業の成長を加速してまいります。
 5月10日には米国無線通信システム事業会社であるZetron社の子会社化を完了し、無線端末からシステムソリューションへの展開による無線機器事業の拡大をはかるとともに、7月24日には日本ビクター株式会社と、世界最強のカーエレクトロニクスメーカー、デジタル/ネットワーク時代にふさわしいホームオーディオメーカーとして、新たな発展へ向けた戦略的な業務提携契約を締結し、早期の経営統合を目指して、両社の企業価値創造・拡大はもとより、日本の専業メーカー再編へ向けた歴史的な第一歩を踏み出しました。
 このように当社では、より透明性の高い経営を推進し、企業価値の向上に努め、事業活動を通じて社会に貢献していく所存でございますので、皆様方の変わらぬご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。
近年の経営総括
 
2003年3月期
「抜本再建計画」アクションプラン
抜本的な構造改革でコアビジネスに集中し、V字回復を実現
 創業以来、「音」と「無線通信」をコアコンピタンスに事業を拡大してきた当社は、バブル経済崩壊後も、カーエレクトロニクス事業や無線機器事業を原動力に、営業段階では黒字基調で推移していました。しかし、成熟したホームエレクトロニクス事業や新規事業が経営を圧迫し、2002年3月期末には経営再建が急務となりました。
 産業の成熟化によって不振に陥った日本企業は多く見受けられましたが、本来、成熟産業には大きな魅力があります。成熟分野は成長こそ見込めないものの、すでに安定した大きなマーケットが確立されていることや、技術、設備、販売ネットワーク、ブランド・プレゼンスなどのリソースが蓄積されていることなどです。
 過去の「負の遺産」を一刻も早く清算し、この成熟産業の魅力を引き出して経営再建を果たすため、当社は2002年7月に「抜本再建計画」アクションプランを策定し、財務、事業、コスト、経営の抜本的な構造改革に取り組みました。その結果、2002年12月に債務超過を解消したのをはじめ、9カ月間で再建諸施策を完了、2003年3月期決算では過去最高の当期純利益を計上してV字回復を果たすことができました。
2004年3月期〜2006年3月期
第一次中期経営計画「エクセレントケンウッド・プラン」
事業競争力の強化と成長戦略の推進をはかり、過去の「負の遺産」を一掃して財務・資本構造改革を完了
このように、当社は2003年3月期をもって再建諸施策を完了し、新生ケンウッドとして新たな飛躍へと向かうステージに移行しました。2003年5月には、第一次中期経営計画「エクセレント ケンウッド・プラン」を策定し、21世紀で最も有望な市場の一つである“Mobile &Home Multimedia System”の事業ドメインに集中して「世界のエクセレントカンパニー」となることを目標に掲げました。
 その初年度にあたる2004年3月期は、連結経営体制の強化や、損益とキャッシュ・フローの改革に向けた「生産革新」に取り組み、当期純利益が2年連続で過去最高を更新したことに加え、繰越損失や有利子負債を大幅に縮減してバランスシートの健全化を進めました。
 二年度目の2005年3月期には、「新財務戦略」に取り組み、「繰越損失の一掃、公募増資による優先株式の半数消却、リファイナンスによる金融協定の終了と有利子負債の大幅縮減」という日本では他に例を見ないスキームを完了しました。これによって当社の財務基盤・資本構造は劇的に改善し、第一次中期経営計画で目標に掲げた「復配」を一年前倒しで実現しました。
 そして、最終年度にあたる2006年3月期には、優先株式の残り半数の消却に取り組み、2005年8月をもって債務超過を解消するための債務の株式化で発行した優先株式のすべてを消却しました。また、目標としていた「ROE 20%」「有利子負債300億円以下」をクリアし、財務基盤・資本構造改革の総仕上げを終えて、2003年3月期から取り組んできた一連の構造改革に終止符を打つことができました。これも、ひとえに株主の皆様や金融機関の皆様をはじめとする、ステークホルダーの皆様のご理解とご支援の賜物です。ここに、あらためまして厚く御礼申し上げます。
新しい経営の動き
 当社グループでは、競争の厳しい成熟分野においてはM&Aや事業提携が自力成長を超えた成長を加速させ、企業価値を創造・拡大する有効な手段だと捉えており、かねてから、日本のコンシューマエレクトロニクス産業の国際競争力強化に向けて、業界再編を視野に入れたあらゆる方法を検討してまいりました。
 この考え方に沿った第一ステップとして、当社グループは2007年7月24日に日本ビクターと、持分法適用未満の出資(17.0%)を通じた戦略的業務提携を締結いたしました。これにより、当社グループは日本ビクターを連結対象とせず、相互の業績が直接影響しない関係の中で、早期に大きなシナジー効果を期待できるものと考えております。即ち、当社グループの3つのコア事業のうちカーエレクトロニクス事業とホームエレクトロニクス事業の2つ、売上高では7割近い事業領域においてシナジー効果が期待でき、特に売上高の6割を占めるカーエレクトロニクス事業の約半分の市販(オーディオ)分野は、日本ビクターの同分野を合わせると事業規模が倍増して世界No.1となります。
 この提携のもと、両社はカーナビゲーション、ホーム/ポータブルオーディオも含めたマルチメディア分野のJV(合弁会社)等による共同開発や共同資材調達、相互製造委託などによって、スケールメリットによるコスト競争力強化などの大きなシナジー効果を期待しております。
  そして、第二ステップとして、両社の経営と業績の安定を見届け、対等の精神で両社の経営統合が実現するよう検討を進めてまいります。


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